天保山の旧サントリーミュージアム、南港のなにわの海の時空館という大阪ベイエリア観光の一翼を担ってきた2施設が新しく生まれ変わることになりそうです。
- 旧サントリーミュージアム8月入札へ 10年貸し付け(cache1・2)
平成22年12月に閉館し、大阪市に寄贈された大阪ベイエリアの旧美術館「サントリーミュージアム『天保山』」(大阪市港区)について、市は25年度から約10年間、全館を民間事業者に貸し付ける方針を固めた。(引用元:産経新聞)
大阪市が、入館者が低迷している市立海洋博物館「なにわの海の時空館」(住之江区)を、2012年度末までに廃止することがわかった。施設の活用事業者は公募で決める方向で検討している。(引用元:読売新聞)
旧サントリーミュージアムは2013年度から10年間、全館を民間事業者に貸し付ける方針で、2011年3月の事前公募では複数の企業から打診があったとのこと。観光名所となっている海遊館の隣りという好立地は事業者にとって魅力的ですし、IMAXシアターを改修して劇場に転用することも可能と、様々な活用が期待できそうです。
一方、なにわの海の時空館は2012年度で廃止、民間事業者を公募し、2014年度の再オープンを検討しているとのこと。こちらは立地的にも建物の構造的にも非常に厳しい案件になることが予想されます。個人的には再活用のイメージが全く思い浮かびません。資料的に貴重な菱垣廻船の原寸大模型の行方も気になります。
旧サントリーミュージアム天保山。建築家、安藤忠雄氏の設計でサントリーが80億円をかけて建設。現在は半世紀ぶりのツタンカーメン展が大盛況となっている。
なにわの海の時空館(左)。海に浮かぶドーム型の展示施設へは海底トンネルを通って入場します。この芸術的なライトアップが残ってくれると嬉しいのですが…。なにわの海の時空館の内部は過去記事で詳しく取り上げていますのでご覧下さい。
大阪ベイエリアはこれまで天保山と南港を中心に展開し、舞洲などの人工島開発、りんくうタウン、そしてUSJ周辺と分散化が進んできた経緯があります。しかし結果的にどこも中途半端な集積になってしまった感は否めません。今後はそれぞれを強く結びつけて観光の軸にしてく工夫が求められていくと思います。