なにわの海の時空館 -大阪湾に浮かぶガラスドーム-

ブログの記事を上手に書くコツとして「記事を一晩寝かせる」というものがあります。
記事を書いた直後というのは妙な達成感があって、案外単純な誤字脱字、表現の誤りに気付かない。それが一晩寝かせて再度読み直すと、他人が書いた文章のように冷静に見直すことができる。まぁこういうことなんですが、最近「なるほどなぁ」と思うことが結構多かったので・・・。

そんな余談は置いといて、今回は大阪南港の「なにわの海の時空館」を取り上げてみます。この施設は大阪市立海洋博物館という副称があるように、海運を使って発展してきた古代~近世の大阪の歴史を様々な資料やアトラクションを通じて学べるというものです。中身は実際に見ていただくとして、当ブログでは写真を通じて雰囲気だけでも伝わればと思います。

なにわの海の時空館 海底トンネル
まずはこの施設最初の目玉、「海底トンネル」です。全長60mのトンネルでエントランス棟と展示棟(ドーム)を結んでいます。途中の天井には4ヶ所の窓があって、運が良ければ魚が見えるとか。私は見えませんでした(涙) それはともかく、中々SF的な空間であります。

なにわの海の時空館 エスカレーター
トンネルの突き当りには展示棟(ドーム)内へ続くエスカレーターがあります。宇宙基地みたいで勝手にワクワクしてました。上のトンネルも含めて色々な部分が無駄に豪華なのはさすが当時の大阪市といったところです。まぁ我々の税金なんですけど。

なにわの海の時空館 球体ドーム内01
展示棟(ドーム)の内部です。外からは何度も見てますが中に入ったのは初めてなので新鮮でした。やはり360度を海に囲まれているのは不思議な感じがします。

なにわの海の時空館 球体ドーム内02
ドームの天井を見上げてみる。支柱が幾何学模様のように組み合わさっていて、さながらアートのようです。ビニールハウスみたいに太陽光が集まるのか、外に比べるとかなり暖かいです。

なにわの海の時空館 近世の大阪港
近世の大阪港のジオラマです。手前の出っ張っている所が今の天保山です。奥の方を見ると、大阪市内の東西の主要道がほとんど川だったということが良く分かります。

なにわの海の時空館 菱垣廻船 浪華丸01
なにわの海の時空間の目玉、菱垣廻船の「浪華丸」です。復元された後、実際に帆走実験も行われました。もちろんガイド付きで船内に入ることができます。
(参考リンク: 菱垣廻船を海へ!

なにわの海の時空館 菱垣廻船 浪華丸02
浪華丸」その2。全長は30m、重さは約90t。これと同じタイプの船が、米などを積んで大阪の蔵屋敷と江戸を往復していたんだなぁと思うと感動すら覚えます。当時の大阪が商業の中心地だったことを指す「天下の台所」という言葉の意味を改めて実感することができます。

なにわの海の時空館 菱垣廻船 浪華丸03
浪華丸」その3。船体を下から見るとこんな感じです。私の所持している一番の広角レンズでも全体像が収まりませんでした。木と木の組み合わせと、鉄釘だけでこれだけのものを作るんですから、当時の職人技は本当に凄いものだったんでしょうね。

なにわの海の時空館 夕景01
なにわの海の時空館」の夕景です。海にぽっかりと浮かんだガラスの球体が内側からライトアップされ、大阪湾の夕景に華を添えます。

なにわの海の時空館 夕景02
なにわの海の時空館」の夕景その2。こんな形の博物館は世界的に見ても珍しいと思います。大阪市はせっかく作ったんだから、もっと気合を入れてアピールしないと駄目ですね。

今回一通りの展示物を見て回りましたが、個人的に大阪の歴史を見つめ直すいい機会になりました。日本史を語る上でいかに大阪が重要な位置を占めてきたのか大阪人こそもっと知らなければなりません。それは大阪が持つ本来のポテンシャルを知るということでもあります。全体像を掴むためには「大阪歴史博物館」とセットで楽しむのがいいかもしれません。