MIDリート投資法人(大阪市北区堂島浜1-4-4)が信託受益権を通じて保有する大阪ビジネスパーク(OBP)内の「ツイン21OBPパナソニックタワー」「松下IMPビル」「パナソニック電工ビル」の3物件の活用促進と中長期的な再開発に向けた検討が始まる。いずれも大規模な物件であり、再開発が具体化した場合にはビッグプロジェクトになりそうだ。(建通新聞)
MIDリート投資法人は、スポンサーである関西電力及びMID都市開発、主要テナントであるパナソニックと、大阪ビジネスパーク(OBP)の活用促進及び再開発検討に関する協定書を締結した。パナソニックがツイン21を継続的に一括賃借できるよう活用促進や、OBP地区の再開発及び環境に関する取り組みを検討する。(J-REIT)
中長期的な再開発の検討が始まる大阪ビジネスパークの3物件。左からパナソニック電工ビル、ツイン21、松下IMPビル。
OBP(大阪ビジネスパーク)の3物件を所有するMIDリート投資法人が主要テナントであるパナソニック等4社と、該当物件の活用促進と中長期的な再開発に関する協定書を締結しました。
旧大阪砲兵工廠跡地を再開発、大阪を代表する副都心として完成したOBPですが、今回再開発が検討されている初期の高層ビルは築20年を超えます。リート(不動産投資信託)として上場している物件ですので、投資家への魅力を高める必要があるという判断でしょう。
これらは元々松下グループの旧松下興産(現MID都市開発)が所有していた物件で、経営再建のため2002年に証券化して売却した経緯があります。つまりパナソニックグループにとっては最初の開発主体とはいえ高い賃料を払ってまで入居し続ける必要は全くないということ。MIDリートにとってOBPは生命線であり、パナソニックに逃げられては困るという危機感が今回の協定締結へと繋がっているはずです。
MIDリートの当時の取得価格はツイン21が687億円、松下IMPビルは246億円、パナソニック電工ビルは76億円、活用促進や中長期的な再開発によって地区全体の魅力を高め、なんとか回収したい所でしょう。
裏事情はともかく、再開発案件としてはかなり大規模になりそうです。特に築35年で比較的小型のパナソニック電工ビルはすぐにでも再開発できるでしょう。ツイン21、松下IMPビルは建替えるとしても相当先になると思います。個人的には大阪の高層ビルの象徴だったツイン21は残して欲しいかな。
大阪城天守閣から見た大阪ビジネスパーク全景。デザインがシンプルなので古臭さはあまり感じられないと思います。この洗練された景観を崩してほしくないという方も多いはず。
天満橋OMMビルから見た大阪ビジネスパーク全景。川に囲まれた美しい都市空間は、新宿副都心や幕張新都心にはない魅力があると思います。
OBPといえば、かつてツイン21の最上階に展望台がありました。残念ながら閉鎖されてしまいましたが、同じ場所からということで、Re-urbanizationのろんぐさんが、レストランからの眺めを紹介されています。ツイン21が完成した時に一度行ったきりですが、そういえばこんな眺めだったなぁ。梅田方面や周囲に高層ビルが増えたので当時よりもさらに迫力が増しています。