大阪発祥の老舗百貨店「そごう」が心斎橋本店を閉店してから3ヶ月。建物を大丸が取得して2009年11月14日に「大丸心斎橋店 北館」として開業させました。本館、南館と合わせ売り場面積は「77,000㎡」となり、建替えや改装中の百貨店を除けば、今のところ大阪最大の百貨店ということになります。(参考記事)
コンセプトは「ハイブリッドな百貨店」。いまいち良く分かりませんが、品揃えや価格など多世代のニーズに応える百貨店という意味合いのようです。
建物は旧そごうのままなので新鮮味はありませんが、中身は大変身していました。そごう失敗の要因だった「高級感」が大幅に減り、カジュアルで入りやすい店舗になっていると思います。
特に若い女性をターゲットに絞った地下フロア「うふふガールズ」は今までの百貨店の概念を覆す、いわばファッションビルのような雰囲気です。百貨店業界が今後生き残る為の必死さが表れているように感じました。男性は8階のゴルフ用品フロアや12階の書籍、趣味雑貨フロア程度しか居場所が無く、ちょっと寂しい感じです。
ずっと気になっていた屋上庭園は継続されていました。
天気が悪くてこんな写真になりましたが眺望は健在で安心しました。嬉しいニュースとしては閉門が30分延びて18時30分になっていたこと。夜景鑑賞にもちょっとだけ余裕ができるかもしれません。
「そごう」が心斎橋から姿を消した事は非常に残念です。しかし大丸が店舗を引き継いだのは考えられる最良の形かもしれません。たとえば運良く別の百貨店が進出してきたとしても、ターミナル機能の無い心斎橋エリアでのシェアの奪い合いとなり、結局そごうの二の舞いになりかねません。その点お隣の大丸であれば、そのまま店舗の拡張となり、自らの意思で売り場構成を調整することが出来ます。また将来考えられる大丸本館の建替え時に仮の「本館」として稼動させることもできるでしょう。
最悪なのは買い手が見つからずに空き店舗のまま放置されたり、マンションやパチンコ店等になってしまうことです。心斎橋の活力低下を最小限に抑え、スムーズに移行させた大丸さんには素直に拍手を送りたいと思います。今後も心斎橋に腰を据えて頑張っていただきたいです。