W.M.ヴォーリズの設計により1933年に竣工した大丸心斎橋店 本館は、日本の百貨店建築の最高傑作とも呼ばれた名建築でした。しかし老朽化が進んでいたこともあり2015年末に一時閉館、新たに高層建築へと建て替える工事が始まりました。現在、2019年9月20日の開業日に向けて工事の最終段階に入っており、旧建築の外観を保存した低層部がその姿を表しました。さらに8月末頃よりライトアップもスタートしましたので、その様子を紹介します。
ライトアップが始まった新しい大丸心斎橋店 本館。素晴らしい再現度でヴォーリズ建築が帰ってきました。
新築された高層部も上品で美しく、低層部とのマッチングも見事。高層部は水晶塔を避けてセットバックしています。
御堂筋側中央玄関の様子。旧建築の部材をできる限り再利用しているということで、風合いは本当に昔のままです。
ここまで再現されていると建て替え前の写真と言われても分からないかもしれません。
御堂筋の様子。赤い屋根とネオゴシック様式のランタン。昔のままの心斎橋の風景がここにあります。
心斎橋筋商店街側の様子。こちら側はスタイリッシュで最新の百貨店という印象です。
心斎橋筋側中央玄関上部に再現されたテラコッタ(陶製)の孔雀。孔雀は大丸のシンボルにもなっています。
高層部に取り付けられたDAIMARUのロゴ。内側から光が漏れ出るようなライトアップが綺麗です。
大宝寺通りの上空に設けられた接続部。これにより本館と北館の2階~10階が連結されます。
建て替え中に本館の役割を担った大丸心斎橋店 北館。元々はそごう心斎橋本店だった建物で、そごうの撤退に伴い大丸が買い取った経緯があります。新しい本館の開業に合わせ、こちらも休館しリニューアル工事が行われる予定です。
以上、新しい大丸心斎橋店 本館の様子でした。低層部、高層部ともに上品な美しいライトアップが施されており、心斎橋の街並みが一段と明るくなったような印象を受けました。世間では賛否両論のある腰巻き建築ではありますが、この大丸心斎橋店本館はそういった批判を吹き飛ばすくらいの再現性を誇っていると思います。9月20日の開業が楽しみです。