大阪府PT 大阪駅前ビルや船場地区の緑地化を検討

大阪府が、JR大阪駅南側の大阪駅前ビル(第1~第4、大阪市北区)を取り壊し、跡地に公園を建設する都市改造プランを検討していることが分かった。府はメーンストリート・御堂筋や大阪駅北側の「うめきた」も公園とする方針を打ち出しており、実現すれば市街地に巨大な緑地帯が出現する形になる。

また新しい大阪のグランドデザイン構想が出てきました。なんとダイヤモンド地区の大阪駅前ビル4棟を撤去して緑地化するという仰天プランです。

大阪駅前第1~第4ビル
大阪駅前ビル群を上から眺める。手前中央から奥側に向かって第1ビル、第2ビル、第3ビル、その左側が第4ビルです。大阪駅前第3ビル(142m)は完成当時、西日本で最も高いビルでした。それぞれの高層階にはオフィスが入居しています。

大阪駅前第1~第4ビルは大阪駅前再開発事業により1970~1981年にかけて建設された巨大な複合ビル群で、戦後のドサクサで外国人に占拠されていた闇市を大阪市が多額の費用をかけて立ち退きさせたという経緯があります。内部は地権者による区分所有となっており、飲食店や金券ショップ、パチンコ屋、サラ金などが軒を連ねるという近代的なビルの外観からは想像できない異様な状態になっています。

この区分所有というのが曲者で、ビル全体のオーナーは存在しません。区分所有者の組合が実質的なオーナーの権限を持ちます。要するに分譲マンションみたいなもので、行政がビルを撤去したいといっても組合の同意が得られない可能性が非常に高いです。もし同意が得られたとしても移転の補償等で莫大な費用がかかるでしょう。よってこの構想はおそらく実現できないと思っています。撤去どころか組合自身による取り壊し、建て替え費用の捻出すら困難なのではないでしょうか。

オリックス本町ビル 展望テラスより谷町方面
もう一つ緑地化のプランが上がっている船場周辺。阪神高速13号東大阪線(農人橋~信濃橋間)を撤去し緑地化するという計画。場所は大体写真の範囲です。

こちらもまた突拍子も無いプランですね。阪神高速、船場センタービルは撤去、中央大通は地下化も想定するというもの。詳細が分からないので何ともいえませんが、阪神高速を撤去するということは奈良方面から大阪港線(またその反対)へは環状線を経由することになる?それとも阪神高速も地下化?地下鉄中央線との兼ね合いは?など突っ込みどころ満載で、本当にきちんと考えて発表しているのかすら疑問です。上記のような交通事情を考えると実現性は低いといわざるを得ません。

今回は大阪駅前ビル群や船場センタービルのような時代に取り残された建物が再開発の議題に上っただけでも良しとするべきかもしれません。ただもう少し実現性を考慮してから発表して欲しいというのが本音です。沢山のプランは出てくるけど結局何も実現に向けて進まないとなると、せっかくの支持、信用を失う結果に繋がります。


2012.3.30 追記

この記事が出た翌日の3月29日に行われた第7回大阪府市統合本部会議の様子をYouTubeで見ることができます。動画の1時間11分あたりから大阪のグランドデザインに関する議論が始まります。最初のプレゼンだけでも目を通しておけば、これまでの断片的な報道では見えにくかった全体の方向性がある程度理解できます。

アイデア段階のプランを公式発表のように報道するメディアへのクレームのような発言もありますね。まず壮大なプランを提示して各方面の議論を巻き起こしていきたいというスタンスなので、我々が実現性や採算性など細かい部分に一々突っ込んでも仕方ないのかもしれません。ただ意見はどんどんメールしていけばいいと思います。