大阪市の都市計画審議会専門部会は19日、原則50メートル、最高60メートルに制限されていた御堂筋沿いのビルの高さ規制について、条件付きで撤廃することを決めた。規制緩和で老朽化したビルの再開発や街の活性化を促すのが狙い。市は2013年度中に必要な手続きを終える方針。(朝日新聞)
大阪市のメインストリート、御堂筋の淀屋橋~本町間の高さ規制が撤廃される見通しとなりました。低層部の高さは現状維持の50mに統一しつつ、高層部をセットバックさせた場合について、50m+セットバックの長さ×2の高さまで建設可能とし、また条件次第で容積率を最大1300%まで認めるとのこと。つまり容積率や航空法、デザインとの兼ね合いもありますが、その気になれば200mビルの建設も可能となります。
御堂筋、本町付近の様子をオリックス本町ビルから。30m制限時代のビルと50m制限時代のビルが混在するので、高さの統一感は既に崩れています。
都市再生特別地区の適用を受けた本町ガーデンシティ(セントレジス大阪)。今後はこのようなビルが増えていくことになります。このビル場合は高層部を20mセットバックさせているので、今回の条例改正案にあてはめると140mが上限となります。
大阪の都心部を象徴する都市景観を持つ御堂筋の高さ規制撤廃は、時代の流れとはいえ、少し寂しい思いがあるのも事実です。しかし老朽化したビルの建替えが促進されることや、低層部への店舗誘致等で街が活性化するのであれば、それはそれで重要なことだと思います。規制が撤廃されても、開発業者には景観維持へ細心の注意を払った大阪の中心部に相応しい建築デザインをお願いしたい所です。