人口84万人を擁する大阪第2の政令指定都市、堺市。古墳時代には大規模な百舌鳥古墳群が建造され、中世には貿易の拠点都市として、また安土桃山時代には自治都市として栄えた由緒ある都市です。現在は工業を中心とした産業都市として、また泉北ニュータウン等を抱える大阪のベッドタウンとして重要な地位を担っています。
堺市の中心駅、南海堺東駅前の夜景。堺には南北に3本の主要路線があり、それぞれに堺と名の付いた駅があって一体何処が中心なのか分かりにくいのが欠点です。
堺東駅の南西側に建つ堺市役所。左側の本館と中央の高層館に分かれています。高層館の高さは94.6m。右側には国の出先機関等が入る堺地方合同庁舎が建設中で、この場所が政令指定都市の中心部であることを伺わせます。
エレベーターで高層館の21階に上がると無料の展望ロビーがあります。東大阪市役所や高槻市役所と比較して、展望フロアとしての設備は最も充実しています。
展望ロビーから西方向、大阪湾方面の夜景。前述の堺地方合同庁舎の建設が進み、以前と比べて視界が悪くなってしまいましたが、美しい夜景は健在です。
南海堺東駅と南海堺駅を結ぶ大小路筋(シンボルロード)。毎年10月には堺まつりの大パレードが行われます。大阪湾岸の堺駅前にはホテル・アゴーラリージェンシー堺(旧リーガロイヤルホテル堺)やポルタスセンタービルが建っています。
北方向、大阪市内方面の夜景。眼下には堺東駅前の繁華街が広がっています。
南海堺東駅周辺の夜景。巨大な駅ビルには高島屋堺店が入居しています。駅東側には45階建て高層マンションの再開発計画がありましたが、世界文化遺産登録を目指す百舌鳥古墳群への配慮から、規模が大幅に縮小された経緯があります。
堺東駅西側には堺銀座などの商店街が縦横に広がっています。アーケード商店街は歩くには便利ですが、上から見る夜景としての華やかさには欠けますね。
南東方面の夜景。中央の暗い場所が百舌鳥古墳群を代表する大仙陵古墳(仁徳天皇陵)です。巨大な古墳全体を俯瞰するには高さが全然足りません。
東方向、JR堺市駅方面の夜景。地上43階建てのツインタワーマンション、ベルマージュ堺(高さ142m)が目立ちます。手前には反正天皇陵古墳があります。
最後は夜景動画です。360度全方向の眺望を収録しました。あまり時間がなくて凝った編集はできていませんが、現地の雰囲気を感じていただければ幸いです。
展望フロアには堺の文化や観光スポット等を紹介するコーナーが設けられていて、眺望を楽しみながら堺の歴史を学べるように工夫されています。しかし貴重な歴史遺産を持ちながら、それらを観光客誘致に上手く活かしきれていないという印象です。
特に最も有名であろう大仙陵古墳(仁徳天皇陵)については、古墳の全貌が見おろせる仁徳タワー計画や、気球を使って上から古墳を見せる計画等も提案されているようですが、何一つ実現していません。空が駄目ならせめて内濠を船で回るようなことができればいいのですが、宮内庁の管轄ゆえ古墳内部の調査すら一切できないのが現状のようです。堺の観光都市化は大阪全体の活性化にも貢献するはずなので、ぜひとも力を入れて取り組んでいってほしい課題ではあります。