ダイビル本館(中之島3丁目共同開発) 2011年6月

ダイビル本館はダイビル、関西電力、関電不動産による中之島3丁目共同開発の締めとなるプロジェクトで、中之島を代表する近代建築だった旧ダイビル本館を22階建て高さ108.19mの高層ビルへと建て替える計画です。

ダイビル本館 完成予想パース
ダイビル本館の完成予想パース。発表当初は中之島ダイビル・ウエストと呼ばれていました。東京中央郵便局解体に端を発した近代建築保存運動によってデザインが大幅に変更され、旧建築のデザインを低層部に残すような形になりました。

ダイビル本館 2011年6月 01
2011年6月末時点の建設状況です。まだ基礎工事の段階です。

ダイビル本館 2011年6月 02
中之島3丁目共同開発の全景。右が関電ビルディング(高さ195.45m)、左が中之島ダイビル(高さ160m)。手前がダイビル本館の建設場所です。中之島は隙間無く高層ビルが建ち並ぶ超高層アイランドへ変貌しようとしています。

旧ダイビルの外観
解体前の旧ダイビル本館です。渡辺節の設計によって1925年(大正14年)に完成した大規模な近代建築でした。旧ダイビル本館は重要文化財になっていてもおかしくなかったはずなので、保存運動が起こったのは当然なのかもしれません。

旧ダイビルの彫刻
旧ダイビル本館のエントランス上にあった半円アーチと彫刻、鷲と少女の像。このあたりの意匠は新しいビルでもきっちり再現して欲しいです。意外と手持ちの写真が少なかったので、解体前にもっと写真を撮っておくべきだったと今更後悔しています。

中之島ダイビルのエントランス
先に開業した中之島ダイビルのエントランス。ちょっと色があっさりしてますが、旧ダイビル本館の意匠を取り入れています。時間がたって風化していくと良い感じの色合いになっていくのかもしれません。

旧建築の外観を保存するというデザインの変更があったため、着工が大幅に遅れてしまいましたが、現在2013年の完成に向けて着々と工事が進んでいます。このプロジェクトによって、やみくもに建て直すだけが再開発ではないということを痛感しました。建物の歴史や周囲の景観に配慮しつつ、新しい価値を生み出すということは、今後の都市開発において施工者が真剣に考慮すべき重要なポイントになっていくのでしょう。