大阪砲兵工廠跡地の再開発として1980年代に開発がスタートした大阪ビジネスパーク(OBP)。1990年頃には大阪を代表する副都心としての地位を確立しましたが、バブルの崩壊を経た後、梅田周辺へのオフィス集積によって空室率の悪化が進み、ビジネスエリアとしての地位は低下するばかりでした。
しかし2014年に入って地権者からなるOBP開発協議会は地区の用途を、学校・病院・賃貸マンションへと広げることを決定。さらにパナソニック大阪京橋ビルの建替え、KDDI大阪第2ビルの建設、そして読売テレビが地区内に新社屋の建設を発表するなど、ここにきて新たな再開発計画が一気に浮上するという急展開となりました。
大阪ビジネスパークの全景。シンプルなデザインのビルが建ち並ぶ。
■ (仮称)新MID大阪京橋ビル(パナソニック大阪京橋ビル建替え)
昭和49年に建設されたパナソニック大阪京橋ビル。地上8階建て、1~3階には旧松下電工のショールームが入居していた。現在、解体工事が進行中で、跡地には地上22階建て、高さ116.27mのビルが建設される予定。関西電力系通信会社のケイ・オプティコムが2017年度にも本社を移転して入居する見通し。
右側手前でパナソニック大阪京橋ビルの解体工事が行われている。
ここに高層ビルが建つとOBPのスカイラインは大きく変わることになるだろう。
■ KDDI大阪第2ビル(TELEHOUSE OSAKA 2)
KDDI大阪ビルの隣接地に建設中のKDDI大阪第2ビル。
地上20階建て、高さ130m。内部には国内最大級の電力供給能力を備えたデータセンター、「TELEHOUSE OSAKA 2」が設置される。2015年6月の完成予定。
KDDI大阪第2ビル(TELEHOUSE OSAKA 2)の完成予想図。
■ 読売テレビ放送 新社屋
読売テレビ放送がシアターBRAVA!跡地に建設を計画している新社屋。現社屋が手狭になったことや、放送設備の更新が近いことを理由に、高さ80m程度の新ビルを建設し移転する計画。2016年秋の着工、2019年夏に開局する予定。
読売テレビ放送 新社屋のイメージイラスト。
読売テレビ放送 新社屋の建設予定地。右側が閉館したシアターBRAVA!。
イメージ図を見ると現在駐車場になっている広大な敷地も使用される見通し。
■ その他
一連の再開発が進むと、残る空き地はこの駐車場のみとなる。地権者は富士通。前述の地区用途拡大によって、新たな複合施設の建設が発表される可能性も。
開発スタートから30年の時を経て、第二次再開発といっても過言ではないほどの新たな局面に突入したOBP。大阪城公園に近く、河川に囲まれた環境、そして都心部に比べて津波などの自然災害に強いというメリットがあるだけに、新たな開発が成功すれば、魅力のあるオフィスエリアとして見直されていくのではないかと思います。