推古天皇元年の593年に造立が開始されたという日本最古の官寺 四天王寺。その西門にある石鳥居は古来より極楽の東門にあたるとされ、人々はその方向に沈む夕日に極楽浄土を観想していました。現在でも四天王寺では彼岸の中日にあたる春分の日、秋分の日に石鳥居の彼方に沈む夕陽を拝する日想観の法要が行われています。
今回は秋分の日が曇り予報だったのと法要による混雑を避けるため前日に撮影しました。
創建時、上町台地の西側は海だったので見渡す限り空が広がっていたのだろうと思います。
一日早いこともあって石鳥居の中心からは少しずれていますが綺麗な夕日を拝めました。
石鳥居の近くまで来ると何とか夕日が枠内に収まってくれました。
日想観法要時には極楽門から石鳥居までの間は人々で埋め尽くされます。
四天王寺が年中行事として日想観の法要を始めたのは2001年秋のことで、近世以降は信仰としての日想観は長らく途絶えていたそうです。夕陽丘周辺でも段々と夕日を綺麗に眺めることのできる場所が減ってきていますが、このように古来の習慣が復活し後世に受け継がれているのは素晴らしいことだと思います。