南海難波駅前の一等地にある元精華小学校跡地の再開発事業者選定結果が公表され、不動産会社の株式会社成信に売却されることが分かりました。提案では2016年の開業を目指して複合ビルの建設を計画しているようです。
大阪市教委は1日、喜劇俳優・藤山寛美さんの出身校として知られる旧市立精華小学校(大阪市中央区)の跡地を、民間の不動産業者に約35億9000万円で売却すると発表した。業者は、校舎を解体撤去し、飲食店やテナントの入る商業施設を2016年度にオープンする計画だ。(引用元:読売新聞)
敷地周辺の模型。左側の建物はなんばマルイ。
ビルの外観イメージ(提案1)。売却予定敷地に限定した現実的な開発提案。
建物の階別構成イメージ(提案1)。ホテル中心の構成。
ビルの外観イメージ(提案2)。南側の雑居ビル群の敷地を含む提案。この場合、難波駅前広場から直接的に人を呼び込める理想的な開発が可能となる。
建物の階別構成イメージ(提案2)。物販中心の構成。地下利用&高層化の可能性。
なんばマルイ周辺。精華小跡地は右下の辺り。京阪電車やレイクの看板のある雑居ビル群が難波駅前広場から再開発区域への物理的障壁となっている。
なんばマルイ周辺の夜景。新たなランドマークの出現が今から楽しみです。
売却予定の敷地に限定した提案1と、その周辺敷地を含めた提案2を募集する形になっており、提案1では10階建て程度の中層ビル、提案2では超高層ビルになる可能性を含めた計画提案となっています。提案1が現実路線、提案2が理想形でしょうか。難波駅前広場からの導線を確保できるかどうかで集客力が大幅に変わります。都市景観や防災上の観点からも、ぜひ提案2の実現を目指して欲しい所です。
精華小校舎 愛好会のサイトでは「今回のプロポーザル提案では周辺敷地の買収契約は条件になっておりません。絵に描いた餅を審査する形でした。提案された内容と全く違うものができる可能性もあります。」という一文があり、やはり周辺敷地の状況によって提案2が実現できない可能性があることに言及しています。
それにしても落札価格35億8880万円(坪約280万円)、最低売却価格25億3290万円(坪約200万円)は立地条件からすれば安すぎると思います。開発業者にとって難波駅前はそこまで魅力の無い土地なのでしょうか。それとも大阪市の公募方法やタイミングが悪かったのでしょうか。あまりにも寂しい入札結果と言わざるを得ません。
難波地区では南海電鉄が南海会館ビルを2019年をめどに高さ154mの超高層ビルへと建て替える計画を発表、大阪新歌舞伎座跡地ではベルコが複合施設の建設を計画、さらに今回発表された精華小跡地の再開発計画が実現すると南海難波駅周辺の大幅な活性化が期待できるだけに、今後の動向に注目です。