アジアの夜景を網羅した写真集「亜細亜ノ夜景」が発売

河出書房新社より近年発展著しいアジア地域の夜景を網羅した写真集「亜細亜ノ夜景」が発売されました。これまで数々の夜景関連著書を発表している日本における夜景の第一人者、夜景評論家の丸々もとお氏と写真家の丸田あつし氏の最新作となります。早速ですがその一部を紹介していきましょう。

亜細亜ノ夜景 表紙
亜細亜ノ夜景の表紙を飾るのはベトナムの産業都市ダナンのハン川に架かるドラゴンブリッジ。ダイナミックなデザインと色使いが読者に鮮烈な印象を与えます。

亜細亜ノ夜景 シンガポール
東南アジア最大のビジネス都市、シンガポール。ライトアップされたマーライオンや高層ビル群、マリーナベイサンズ、シンガポールフライヤー等、夜景の見所が一杯。

亜細亜ノ夜景 マレーシア
マレーシアの首都クアラルンプールは観光都市、国際都市として急激に発展しつつある。市街のシンボル、高さ452mを誇るペトロナスツインタワーの夜景は圧巻。

亜細亜ノ夜景 マカオ
アジアを代表するエンターテインメントシティ、マカオ。米ラスベガスと並ぶカジノのメッカである。派手なネオンに彩られた夜の街並みはまさに原色の世界。

亜細亜ノ夜景 香港
言わずと知れた香港の摩天楼。日本の都市では絶対に見られない高層ビルの密集度と鮮烈なライトアップはアジア夜景のハイライトといっても過言ではないだろう。

亜細亜ノ夜景 上海
スモッグで霞む摩天楼がSF映画の世界を連想させる中国最大の都市、上海。その急激な発展により将来はアジアを代表する夜景都市となるかもしれない。

以上、全18都市の中から少しだけ抜粋してみました。

この他にも台湾や韓国、タイの主要都市をはじめ、ネパールのカトマンズやブルネイのバンダル・スリ・ブガワンなども紹介されています。いわゆる夜景の美しさで有名な都市だけではなく、これまであまり注目されてこなかった都市の夜景が紹介されているという点で、この亜細亜ノ夜景は新しい価値を生み出しています。

ページをめくっていて感じるのは、やはりアジア独特の空気感ですね。帯にも書かれている通り斬新でパワフルな夜景が次々と迫ってきます。確かにぶっ飛んだデザインの建築物や原色系のライトアップが印象に残るのは間違いないのですが、その中にも洗練された魅力を感じるのは、欧米による植民地時代の名残かもしれません。

写真集ですので文章量は多くありません。その代わりに余白のない迫力ある画面構成や、折り返しを使った4ページサイズのパノラマなど、とにかく言葉より目で見て楽しんで欲しいという思いが伝わってきます。ガイドブック的な要素は薄いですが、撮影地の情報は提示されているので、ネットで調べることは可能だと思います。

さて今回は編集者の繋がりが縁でレビューをさせて頂きましたが、本当に素晴らしい写真集に仕上がっていると思いました。本当にこれだけの都市を取材するのは大変だっただろうと思います。アジアに目を向けることで、日本の魅力を再発見することにも繋がると思いますので、興味のある方はぜひ入手してみてはいかがでしょうか。


亜細亜ノ夜景 & 日本夜景遺産
同氏の作品である日本夜景遺産と合わせて見れば日本とアジアの夜景の違いが分かって面白いでしょう。夜景を観光資源として活かすヒントが眠っているかも。

大阪夜景 カバー
さらにミクロな視点で当方の大阪夜景も宜しくお願いします。